生命保険の税務


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 請求人は、契約者及び死亡保険金の受取人を法人とし、満期保険金の受取人を請求人とする養老保険契約の満期保険金に係る一時所得の計算において、所得税法第34条《一時所得》第2項、同法施行令第183条《生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等》第2項第2号及び所得税基本通達34−4《生命保険契約等に基づく一時金又は損害保険契約等に基づく満期返戻金等に係る所得金額の計算上控除する保険料等》の規定等の文理から解釈して、所得税法第34条第2項に規定する「収入を得るために支出した金額」とは、所得者である請求人自らが負担した金額であるか否かは問わず、支払保険料の総額であるから、保険契約者である法人が支払い費用処理した保険料(以下「本件費用処理保険料」という。)を当該「収入を得るために支出した金額」に算入すべきである旨主張する。

 しかしながら、[1]所得税法第34条第2項が「収入を得るために支出した金額」を「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」としているのは、一時所得に係る収入に関連して、あるいは収入があったことに起因して所得者が負担したようなものは収入を得るために支出した金額とするものであると解され、このことは、個人を納税義務者とし、当該個人の収入から支出を差し引いた純所得に課税するという所得税の本旨からすれば、条理上当然であると認められること、[2]所得税法施行令第183条第4項においては、所得者自らが負担したと認められる保険料等に限って「収入を得るために支出した金額」に算入することとしていること、及び[3]所得税基本通達34−4は、一時金の支払を受ける者(所得者)以外の者が保険契約者として保険料等を負担した場合も、当該所得者である使用人が実質的にその保険料相当額を負担しているときには、当該保険料等は当該所得者の収入を得るために支出した金額と認めるという趣旨で定められたものと解されることからすると、本件費用処理保険料を所得税法第34条第2項の「収入を得るために支出した金額」に算入できるか否かについては、本件費用処理保険料を請求人自らが負担したかどうかにより判断することが相当である。

 本件費用処理保険料は、保険契約者である法人の「保険料」として費用処理され、当該金額を請求人に対する経済的利益として(給与)課税した事実もないことから、請求人自らが負担したものとは認められず、所得税法第34条第2項に規定する「収入を得るために支出した金額」に算入することはできない。

平成18年6月30日裁決

























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